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STORYWRITER(12)

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もう何も怖くない

           ○
            く|7
         ┌'弋
           ,亅  |
       // \|
      //    \    へ
     //.        \ ///
    くx  ◎       // \
      \      // /  .\
       \   // /  /  \
        ヽ// /  /  /  \


ちょっと文体を変えてみることにします。
目標は出来る限り丁寧に。

ξ( >◡)ξ▄▇▇〓〓ティロ・フィナーレ!

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「お前は海外まで行って、いったい何をしたいんだ」

父さんはたぶん、単純な疑問を口にしたのだと思う。
ボクがケンブリッジ大学に行きたいと告げたとき、父さんは自宅の応接
間で正座の姿勢で腕組みをしていた。
珍しい光景だった。
こんなとっぷりと日も暮れた時間帯の父さんの過ごし方といったら、
横になりながら文庫本かテレビを見ているというのが常だった。だけど、
今日はそんな緩やかな雰囲気の面影は感じられなかった。

部屋にはボクと父さんの他に保険医のエリス先生もいた。
エリス先生も父さんと同じように座布団の上で正座をしていた。
ボクとエリス先生が並んで座り、テーブルの向かい側に父さんがいた。
網戸からは夏の名残を感じる生ぬるい風が入り込んできた。
父さんは微動だにしない。

「彼にはそれだけのポテンシャルを秘めているのです」

エリス先生もまた、父さんのように視線に一切の揺らぎを見せなかった。

「どうして断言できるんだい?」

父さんは右手の人差し指と中指で、テーブルを二回、三回とリズミカルに
叩いた。その音にはわずかな苛立ちが含まれているように思えた。

「私の母校だからです」

「なるほど」

と、父さんは返事をしたが、

「よく分かったが、俺が聞きたいことは、そんなことじゃアねえな」

父さんはボクを見て、もう一度質問をした。お前は何がしたいんだ?
ボクは返答に窮した。
よく考えてみたら、生まれた18年間の人生で、ボクが自分の意志で決めたこと
なんてほとんどなかった。
当然、即答することなんて地球の自転を逆回転させるくらい不可能なことだった。

その日から、ボクは大学へ行く理由を真剣に考えた。
今までの人生の中で最も悩んだ。
夜中まで悩み、朝は起きれずに学校を休んで、何もしないなら家事をやれ
と父さんに言われ、洗剤を入れないまま洗濯機を回したり、だしを取らずに
味噌汁を作ったり、風呂に水を張ったりを1週間ほど繰り返した。

父さんから100万円の預金通帳を渡されたのは、それからしばらくして
だった。

「まあ、あれだ、俺も東大を記念受験したことがあるから、お前のことを
 強く否定できないことに気付いたわけだ」

ボクは父さんの発言の意図を掴めずに、意外とウチも貯金があったんだねと
伝えると、イギリスまでの駄賃だ、と頭を小突かれた。

「まあ、自分のやりたいことは自分で考えるしかないからな」

色々経験して、自分なりの回答を出すといいさ。父さんはそう言って笑った。
結局、ボクは大学に、それも海外の大学になぜ行きたいのかという答えを出せ
ないまま入学することとなってしまった。

あのときから随分経つけれど、ボクは自分で何かを決めたことなんてあったの
だろうか。
いつだって重要なことは先送りする。
この悪癖は治っていない、むしろ酷くなっている気がする。

「どうして、その、ちゆりさんという子を保護しているんですか?」

そんなことを考えていたとき、メリーはボクに質問を投げてきた。

ボクは幻想郷へ通じる境界の中を歩いていた。
メリーの案内で、帝国ホテルのベッドから幻想郷の境界を発見できた。
境界をくぐると、世界は霧のような薄ぼんやりとした光に包まれ、ほんの
数メートル先はまるで何も見えなかった。

部屋と比べるといくぶん寒いはずなのに、歩くたびに汗が出た。
おそらく湿度が高いせいだと思う。
ただ歩いているだけなのに息苦しく、歩くたびに地面からペタ
ペタと感情を逆なでするような音が聞こえてきた。まるで水浸
しの床を進んでいるかのようだった。

ボクはもう、何かを考えることを放棄していた。
そして、放棄という行為そのものが、無意識にその悪癖に気付く
こととなった過去へボクをいざなったのだ。

そんなときにメリーにちゆりのことを訊かれ、ボクは内臓を口から
無理矢理引きずり出されたような気分を味わった。

なぜボクはちゆりを保護するのか?

非常にシンプルな疑問だと思う。
ボクとちゆりはまだ2日しか一緒に過ごしていない。
まともなコミュニケーションが取れない。
おまけに保護を依頼した人物から、彼女の経歴について
一切教えてもらっていない。

どこをどう取っても、ボクが保護する理由を、義理を
感じられる土台が無い。
仮に同じ立場の人が身近にいたら、ボクだって同じ疑問を
持つと思う。

「さあ、なぜだろう……?」

質問を質問で返すと、メリーは口元を手で押さえて控えめに笑った。

「秘密というわけですね」

メリーが言う。

「神秘性は人を惹きつけてやまない」

「オカルトサークルは惹きつけられました」

「幻想郷では妖怪さえも引き寄せる」

「飛んで火にいる夏の虫」

蓮子が口の端を大きく広げて、会話に加わる。

「できれば虫にはなりたくないもんだね」

ボクは肩をすくめた。

さて……、幻想郷の入口はもうすぐだ。
そこでボクはちゆりを捜す手段を見つける。
そして、もう一つの答えも見つけなければならない。
ボクがなぜ、ちゆりを護ろうとしているのか。その答えを。

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ただ、ダラダラと。
鰻は世界一美味い食べ物だよね?

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