セイレンよ!
こんばんは!
ピッピッピッピッピー!
ラジオやりたくなりました!
ラジオ!
私はテレビより、断然ラジオ派よ!
それだけ。
さて、「Lemoned I Scream」の続きを書きます。
書かないとか言っていたのに、舌の根が乾く寸前に撤回よ。
でも、だれも待っていないと思うので問題ないわよね!?
とりあえず、ストーリーを忘れました!!
アウフ!
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アーグラーから、ガンジス川へ向かう。
アーグラー・カント駅から外国人専用窓口で寝台列車の1等席を買う。
ムガル・サラーイ駅行きの出発時刻は、すでに2時間も遅れている。
そろそろ夕方になる時刻だが、ホームを照りつける日差しが凶悪なまでに強い。
親子連れのインド人の何組かが日陰で昼寝をしている。自由な国だ。
駅前の売店でドライカレーを買う。
「カレーは辛くないヤツがいいよ。ノー・スパイシーだよ」
売店のおばちゃんは、弾けんばかりの笑顔で商品を渡してきた。
「私は甘口が好みなの」
岡崎は薄手の赤いシャツを羽織っている。
コートは留置所でこびりついたカビの臭いが取れなくて、
駅前で会った物乞いに譲った。エコだ。
「カレーの王子様っていうレトルト食品が日本にあるわけだが」
「バカね、私は女の子よ」
アルミ製のパックに包まれたカレーを手づかみで食べる。
舌が焼けたかと思った。
ひりつくように熱い。
「これがインドの甘口かしら?」
僕のハンドタオルで、岡崎が口を押さえている。
「おばちゃんは、そう言ったんだ。ヒンディー語で」
「いつのまにそんな言葉を話せるようになったのかしら?」
「昔からだよ。ただね、理解ができないんだ」
「私の話している意味も理解してもらえない」
「非統一性魔法論」
「あなたのそういうところ、好きよ」
このカレーはキライだけどね、と岡崎は付け加えた。
列車は30分後に来た。
個室にソファーのような備え付けの二段ベッドが2つ。
上のベッドにバックパックを放り投げた後に、ゆっくりと腰掛けた。
岡崎が隣に座り、ボクの肩に頭をのせた。
彼女は目をつむっている。
窓から生ぬるい黄色の光がぬるりと入り込んでくる。
視界がわずかに揺れ、車輪のきしむ音が聞こえる。
「マニカルニカー・ガード」
生と死が隣り合う場所よ。彼女の柔らかな唇が動いた。
一度だけ訪れたことがある場所だ。
ガンジス川と隣接する火葬場。
24時間火葬の煙が途絶えることがない。
そこは生と死が溶け合う聖域。
「そこで、ムイ・レーを創ったの」
「魔法を実証するため」
「そうよ。肉体は博麗霊夢をベースに創った。だけど魂が無い。無。ダークマター。ブラックホール。そこに生命の温かみはないの。死の静謐だけ。すぐ隣に命があるはずなのに届かない。命の扉が開けない」
「……紫さんで開いたのか」
岡崎の嗚咽を肩越しに感じた。
肩が濡れている。
彼女の瞳から流れた熱いものが原因だろう。
お母さん、と彼女はつぶやいた。
ボクは彼女の頭をなでた。
柔らかく、自己主張のない、引っ込み思案の感触がした。
出合ったときと何も変わっていないな、と思った。
いつのまにか日が暮れ、彼女は寝息を立てていた。
列車の揺れる音がカンに障った。
部屋を出て、タバコに火を付けた。
吐き出した煙がうっすらと体にまとわりついている。
生き物の魂も、こんなあやふやな存在なのかもしれない。
岡崎の母親は、ボクが大学を卒業した日に病死した。
岡崎の唯一の肉親。
大学に入れるために酷使した肉体にいつの間にか病魔が巣食っていた。
よくある話しだ。
死者を生き返らせることはできない。
それは生命のルールだ。
小学生でも理解している。
いや、犬や猫でさえも。
でも、法則は常に正しいとは限らない。
それをボクたちに教えたのが大学だ。
正しいと思うものを、常に疑うこと。
それが新たな発見につながる。
それならば、人は生き返るのではないのだろうか?
そこには新たなルールがあるのではないのか?
そう、たとえば、魔法が存在しているならば、存在するすべてのルールが変わる。
やれやれ。
携帯灰皿で乱暴に火種をもみ消した。
ボクはどうすればいいのかわからない。
大学のときからそうだった。
フリーディスカッションのとき、論文を書くとき、ディベートのとき、
ボクは人よりも回答を出すのに時間がかかる。
ギリギリまでかかるのだ。
でも、問題はすでに出ている。
ボクは回答をガンジス川で出さなければならない。
個室の扉を開ける。
そこにいるはずの岡崎はいなかった。
「ハロー」
聞き覚えのある声だった。
口元に扇子をあてている、タージマハルにいた紫さんの偽者がそこにいた。














